それでも徳島の阿波踊りは「県民の年度末総決算」な一大イベントだ

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毎年8月12日から15日に行われる「徳島市阿波おどり」。徳島県内の阿波おどりは鳴門市阿波おどりを皮切りに、県内各地で阿波おどりが開幕されるが、特に、一番の最大規模の阿波おどりはこの「徳島市阿波おどり」だ。

徳島県観光政策課がまとめた平成28(2016)年の徳島市阿波おどりの人出総数は123万人にのぼり、うち、県外客は60万人。踊り連の数は850。

連と呼ばれる阿波おどりのグループは6月になると活動が活発化し、さらに、7月になれば毎日のように練習が行われて市内のあちこちで鳴り物が聴こえてくる。そして、8月には藍場浜演舞場・南内町演舞場・市役所前演舞場・紺屋町演舞場の有料演舞場、両国本町演舞場・新町橋演舞場の無料演舞場などの観客席の組立工事が始まり、徳島市内の街中のあちこちが阿波おどりモードへ切り替わっていく。

徳島県の経済は「阿波おどり」でまわっている


12日からの本番を前に、前日あたりから変化を感じるのは車の交通量。

いつもは「徳島」ナンバーや「香川」ナンバーなどの四国4県、遠くても関西圏のナンバーをつけた車しか往来していないような徳島市内が、「横浜」「多摩」といった関東圏のナンバーをつけた車を見かけるようになるのも阿波おどりが近づいてくることを実感する。

良くも悪くも、徳島県の経済は「阿波おどり」でまわっていると言っても過言ではない。

阿波おどりの連に所属する県民はこの4日間はすべてのパワーを使い尽くすぐらいの準備をして「踊る阿呆」となるし、それに合わせて、来県する観光客をターゲットとするたくさんのお店や施設たちも「働く阿呆」としてこの日に準備を進めてくる。

ある意味、徳島県の阿波おどり期間は一年分の稼ぎをここで得るぐらいの勢い、そして、徳島県民のほとんどがこの4日間が一番忙しい時期でもあることから、徳島県の阿波おどりは「県民の年度末でもあり総決算」であると言える。

一方で4億3000万円の巨額の赤字を報じる記事

そんななか、今年2017年の阿波おどりを迎える直前に、週刊現代が6月3日と8月1日、阿波おどりに関する記事を掲載して、ネット上でも大きな話題を呼びました。

「県内外から123万人もの観光客を集める一大イベントにもかかわらず、慢性的な赤字体質で、4億3000万円もの巨額の借金が積み上がっている」と、主催者である徳島市観光協会と徳島新聞との仲の悪さを報じられた。

おそらく、徳島県民のほとんどは徳島市阿波おどりが赤字であることを知っているはずだ。と思ったのだが、実際にはそれを知らなかった県民も見受けられる。

2013年8月に朝日新聞徳島総局も赤字に触れている


このことは、2013年8月15日に朝日新聞徳島総局が「なぜ赤字? 維持費大きく『私』で稼ぐ 徳島・阿波踊り」 というタイトルでも既に取り上げられている(残念ながらその記事はWEB上で閲覧することはできない)。

この時の記事の概要だけ挙げると

  • 徳島市観光協会の阿波おどり事業は約4億円の累積赤字。
    昨年(2012年)は平日が多い日程や雨が降った影響で入場者が減り、約3千万円の赤字。
    桟敷席の維持や組み立てにお金がかかり、同協会の担当者は「桟敷席がいっぱいになって1800万円の黒字」。
    徳島市は今年(2013年)も約1700万円を市観光協会へ補助。
  • 毎年100万人以上が訪れる高円寺阿波おどりは、これまでの赤字の時は商店街の分配金を前倒しして補うなどをしてきた。
    発注権限の一本化など無駄をはぶいて支出を減らし、11年度に初めて700万円の繰上金を計上。
    昨年度(2012年)は1100万円を繰越。
    「商店街や地域が中心となっていて赤字を出すと続けられない。そこはシビア」
  • そうはいっても、阿波おどりの県内経済への貢献は大きい。
    徳島経済研究所が1991年に算出した経済効果は125億円。
    宿泊や飲食、交通費に消費される直接効果だけでも75億円。

という内容。

根本的に徳島と高円寺の阿波おどりは主催運営が異なる

比較の対象となった、高円寺阿波おどりは「商店街や地域が中心」である一方、徳島市阿波おどりは徳島市観光協会と徳島新聞社。特に、徳島県におけるメディアとしても大きな徳島新聞社の影響力は県民の誰もが知っている。この構造について不満の声を挙げる人がいることも確か。

この仕組みが良いか悪いかは一概には判断できない。判断できないのだけど、今年、週刊現代で報じられたこれらの記事によって、阿波おどりの本場・徳島の「徳島市阿波おどり」のイメージに影響したことも確か。そして、どうしても変わらない仕組みに対して諦めている人もいれば、そうでない人もいる。

少なくとも、徳島県と言えば?の代表的な文化は「阿波おどり」。高円寺をはじめとする全国各地にある連は、阿波おどりの本場・徳島をいわば聖地として敬ってくれて、毎年、徳島で阿波おどりを踊ることを目指して一年を過ごす人もいてくれる。

そんな阿波おどりの聖地、徳島県の阿波おどりが他地域の阿波おどりに抜かされないためにも、徳島県や徳島市はさまざまなところで努力をしないといけないのかもしれない。

と、県民・市民のひとりとして思うのです。

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